エブリ・ブリリアント・シング公式サイト|東京芸術劇場

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2019年9月13日と14日の両日、アメリカ合衆国ユタ州シーダーシティで開催されている「ユタ・シェイクスピア・フェスティバル」にて上演されているアメリカ版「エブリ・ブリリアント・シング」を、日本版「エブリ・ブリリアント・シング」に出演する佐藤隆太さんとともに観劇した。13日の終演後には、アメリカ版の出演者マイケル・ドハーティーさんとの対談も実現。帰路のソルトレイクシティ空港で、米国での観劇の感想と、日本での上演についての意気込みを伺った。

――実際の舞台をご覧になっての感想をお聞かせいただけますでしょうか。

本当に素晴らしかった。感動しました!
稽古前に、自分の眼で、劇場で、きちんと「体感」できてとても良かったです。今、一番嬉しいのは、作品作りに入る前に「エブリ・ブリリアント・シング」という作品を大好きになれたことです。

僕らが日本で上演する場合、別の空気感になるでしょうから、創作過程では、悩み、苦しいことが沢山あるでしょうし、不安要素も大きいです。それでも、今回、本当にこの作品を愛せたので、乗り越えていける力になった気がします。マイケルさんが演じる芝居を観ることができ、実際にお話する時間も作って下さって、マイケルさんからのアドヴァイスというか、エールを送ってくれたのが嬉しかったです。同じ作品を作る・同じ役を演じる僕にバトンを渡してくれた気がして、彼の想いを無駄にしてはいけないという責任感も芽生えました。本当にいい時間になりました。

欲を言えば……もう1回観たいですね(笑)。今回、2回観させていただいて違った側面が見えたという点もありますが、純粋に、この作品が観客として大好きだから観られるだけ何度も観たいんです。スケジュールさえ許せば延泊してもう1回観たかったなあ。

――今回、作品を2回ご覧になってますが、2回目にはどんな発見がありましたか?

毎回お客様が変わるので、やはり、役を与えられたお客様のペースや雰囲気でテンポ感やリズムが変わってきますけれど、マイケルさんはそれを全て包みこんだ上で、リードして、ギアを入れて、話の筋にきちんとお客様のフォーカスを向かせていくのが素晴らしかったです。僕が演じる時も、たとえどんなアクシデントが起きたとしても、自分の引っ張り方で、グッと物語に集中させていくというのが大事だと感じましたね。

――マイケルは、「この芝居に正解はない」とおっしゃていたのが、印象的でしたね。勇気づけられる気がしました。

「何をやっても失敗ではない」と言ってくれた言葉を、心に刻んで、大事にしようと思います。「心のお守り」をもらったような気がしますよ。
今まで観てきた芝居とは違う、自分の中で特別な存在になる気がしています。ちょっと照れくさい言い方ですが、この作品を体験できたこと自体が、本当に「ブリリアントな」時間でした。
読めば読むほど、 観れば観るほど、緻密に練り込まれた台本の力を実感しますね。作家マクミランさんと初演の出演者ドナヒューさんが、繊細にバランスをとって、手を加え、積み重ねた結果なのでしょうね。

――マイケルはアメリカ的な要素を巧みに取り入れて素敵なアメリカ版を創っていらっしゃいましたね。私たちが日本版を創る時には、隆太さんが演じる役をイギリス人設定にするかアメリカ人設定にするか、まだ決めていませんが。

もともと台本が素晴らしいので、設定を無理に変えた日本版にはしなくてもよいと思いますが、日本のお客様が、より、すんなりと聞いて、観てもらえるような変化・変更はしてゆきたいですよね。
スムーズ、且つ、スマートな形で、皆さんにクスッと笑ってもらえるような瞬間が大事かなと思います。淡々と進めることもできる台本ですけれど、できるかぎりの振り幅で、皆さんにいろいろな感情を味わってもらえる作品にしたいです。その点をマイケルさんは本当に見事に演じていましたね。

――日本では6都市で公演を行います。各地で反応が違うと思いますが、どんな予感がしていますか?

普段の芝居でも、場所によってお客様のリアクションって変わりますよね。この芝居は各地での違いが、よりはっきりと出そうな気がしています。お客様を巻き込んでいく、お客様に声を出していただく芝居ですからね。まず東京での公演をなんとか無事に終えることができたとしても、「これで安心」という風にはなれない芝居ですが、自分が覚悟を決めれば、その変化を“楽しめる”作品だと思っています。
今回、色々な場所をまわれるのが嬉しいです。行ったことのある場所もありますし、普段の公演ではなかなか回れない場所にも行けるので、本当に楽しみです。

――日本人はシャイである、とよく言われますが、日本での上演では、どのようなことに心を配りたいですか?

無理にではなくスムーズに、皆さんの心の引き出しを一つ一つ解放していくことができれば。とはいえ、きっとお客様に助けられることも多いと思います。自分も緊張するし、何回演じても100%固まることはない芝居なので、緊張感のある分、お客様とギヴアンドテイクで、お互い響き合ってやれたら幸せですね。

――開演前の15分ぐらいのカードを配る時間で、「大丈夫ですよ、ここは安全な場所ですよ」ということをお客様にお伝えして、場をほぐしていくのは、役者さんにとっても大変なことですが、隆太さんなら、乗り越えていただけると期待しています。まだ稽古まで3ヶ月ありますが、日本語上演での抱負をお聞かせいただけますでしょうか。

僕たちが感じたように「もう一度観たい!」と思ってもらえるように、物語を知ったうえでも、また感動できるような作品にしたいです。気が早いですけれど、今回のツアーが終わっても、さらに続いていくような、僕にとっても大事な作品になってほしいですね。テーマは結構辛いのに、こんなに愛おしく思えるのは、作品の持つ不思議な魅力ですね。頑張ろうっ!こうして話していたらまた(マイケルの舞台を)観たくなってしまった……(笑)。

――弾丸ツアー、お疲れさまでございました!

取材・文責:穂坂知恵子
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